映画「犬と猫と人間と」を観た
「命」というものについて考えるきっかけに良い映画だと思います。
「犬と猫と人間と」という映画を観ました。
この映画は犬と猫の保護と殺処分についてドキュメンタリーというか
ルポルタージュというか、そんな映画です。
稲葉恵子さんという一人の猫好きおばさんが依頼して作られたそうですが
この方の言葉「人間よりも動物の方がましなんじゃないかしら」というのが印象深いです。
ちなみにこの映画の制作費には稲葉さんの満期になった生命保険を充ててとの事で。
そうまでして命の大切さを世に訴えたかったんだろうと思います。
残念ながら稲葉さんはこの映画の完成を観る事なく亡くなっています。
捨て猫捨て犬などは保健所などで引き取られ殺処分されるということは
知っていることなので驚きはしませんがその現場は観た事はありませんでした。
この映画ではそういう現場もふんだんに取材しています。
もちろん捨て犬捨て猫を生かす為の努力に心血を注ぐ愛護団体や個人の活動も取材しています。
もちろん救われるのはごく一部で大半は殺処分になることも旧知の事実。
殺処分になる犬や猫を視るとかわいそうだとは思います。
でも、それは私個人が思うだけのことでしかありません。
世の中の人すべてがそう思ってるわけではないし
そう思うのが当然であるような世の中になるべきだ、という論調にも違和感を感じます。
それは犬や猫などの愛玩動物をかわいいと思うか思わないと同じレベルのことだからです。
ペットを飼うのは人の勝手です。
犬や猫が人に飼われたいと思っているのか?
そのことは私はその動物ではないので解らない事です。
なので動物の気持ちが解ったように考えてしまうのも人の側での勝手かも知れないと思います。
そして捨てるのも勝手、殺すのも勝手。他諸々。
人は結局自分勝手なことをしているのではないでしょうか。
大切なことは世の一人一人がその人なりにでいいから生命というものに真剣に向き合うことが第一だろうと思います。
ペットである犬や猫は人の所有物でありますから所有者にはそのペットに関する義務と権利を有します。
ということは所有者がペットの生き死にを支配していると言えます。
そう考えれば所有者の判断で行なう殺処分は妨げることはできないということでしょう。
それは人が人との間で作った勝手な決まり事でそうなってるだけで人間の内輪のルールでしかありません。
命と真剣に向き合うということは全く別の話であると思うのです。
故にペットの所有者が自らのペットの殺処分を望むら所有者自身で殺処分を行うべきだと思います、極論ですが。
辛いことだから他人にやらせる、それってその命ときちんと向き合ってないと思うのです。
人であれ動物であれ植物であれ生命を預かるというのはそれだけの責任があることだと思います。
もっとも、ヒト以外の生物にそこまで責任を持つ必要があるのか?という考え方もありますが
ならば、世の中のすべての生命に対しヒトならば無責任な扱いをしてもいいのでしょうか?
現在ヒトは地球上の生命のヒエラルキーのトップにいるともいえましょうが
地球上の自然すべてをコントロールなど出来はしないのです。
本当は人間も地球上の自然中で生きている、というより生かされているだけなので
生命とか自然とかにもっと謙虚であるべきではないかと思います。
ま、生きてれば外敵と戦うということも必要あれば行うのは当然ですから
もしその外敵にあたる犬や猫がいるのなら排除するのもやむを得ないことではありますけど。
自然界からみれば人も犬も猫もそれぞれが一つの生命であり自然物だと思うので
あまり考えすぎるのもどうかとも思いますが
犬や猫というのはヒトと寄り添う事によって生き延びて来た種があるので
かかわり合いを単なる自然物とは区別しなくてはならない面もあるのかなぁ、でも自然物だと思うし。
ま、各々各個人で考えがあって然りな話でありましょうね。
決して観て楽しくなる映画ではありませんが価値のある映画だと思います。
DVDも発売になったようですので興味があるかたはどうぞご覧あれ。
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